子どもの矯正治療
乳歯が抜けて、永久歯がはえてくると、歯並びがガタガタしてきた。そういった時に子供の将来の為に歯並びはしっかりしておきたいと考えておられる多くの親御さんは歯並びの相談に来られます。その状態や年齢は様々ですが、治療にはより適切な開始時期と方法があります。
あごの骨の成長は、矯正治療で注意して診ていくポイントの一つです。上あごは10歳前後、下あごは身長が急激に伸びる時期に大きくなります。こういった時期にタイミングにあわせて、治療を開始することが治療効果が高くなります。
このまま悪い状態のままではえかわりが終わるまで待っていればより状態が悪くなるといった場合などに始める、乳歯と永久歯が混在している時期の一期治療と言われている子どもの矯正治療は、最終的に良い咬み合わせを作る為の準備にあたるととらえてください。永久歯列になった後、ブラケット等の治療に移行して咬合を仕上げていくのが一般的です。
矯正治療は、主に乳歯と永久歯が混在している時期に始めるⅠ期治療と永久歯が生えそろってから始めるⅡ期治療の2段階に分かれます。
Ⅰ期治療は主に、取りはずし式の装置を用いて2~3年ほどかけて土台の顎の形を含めて歯並びを修正します。
そして、中学入学前後に生えてくる12歳臼歯と呼ばれる第2大臼歯が生えそろうとⅡ期治療を開始し、歯並びを含めかみ合わせを完成させます。(治療開始時期には個人差があります。)装置を装着するのはⅠ期治療の約2年~3年と、Ⅱ期治療の約2年~3年となります。通院は月1回ですが、経過観察期間中は3ヶ月ごとの来院です。
※当クリニックで使用するマウスピース型矯正装置は米アラインテクノロジー社のインビザラインという装置であり、アラインテクノロジージャパン社を介して入手しています。このインビザラインは医薬品医療機器等法(薬機法)の承認を受けていない未承認医薬品であるので、本サイトではインビザラインのことを「マウスピース型矯正装置(インビザライン ・薬機法対象外)」としています。
日本で薬事法の対象と認められるためには、1) 薬事承認されている材料を使って、2) 日本の国家資格を有する歯科医師か歯科技工士が製作したものか、既製品であればそのものが薬事承認されていなければなりません。
マウスピース型矯正装置(インビザライン ・薬機法対象外)の材料であるアライナーシートは薬事承認(承認番号 225ADBZI00001000)されており、口の中に入れても問題ありません。また、マウスピース型矯正装置(インビザライン ・薬機法対象外)は既製品でなく、患者さんの治療を担当する日本の国家資格を有する歯科医師がそれぞれの患者さんに合わせてアライナーシートによる歯の移動方法について設計し、米アラインテクノロジー社にオーダーします。この過程はクリンチェックと呼ばれるソフトウェアで行われ、これについても日本において薬事承認(承認番号 23000BZX00197000)されております。しかしながら、オーダー後のアライナーシートは日本の国家資格を持つ歯科医師でも歯科技工士でもないロボットによって海外で製作されるカスタムメイドの装置なので、上記 2)の薬事法上(法律145号)の医療機器にも、歯科技工士法上(法律168号)の矯正装置にも該当しません。
以上の事情から、日本においてマウスピース型矯正装置(インビザライン ・薬機法対象外)で治療をする場合、医師はこれらのことを患者に説明し、同意をいただく必要があります。なお、デジタル口腔内スキャナーであるiTero Elementについては薬事承認(承認番号 22099BZX00222000)されております。
また、マウスピース型矯正装置(インビザライン ・薬機法対象外)は1998年にFDA(米国食品医薬品局)により医療機器として認証を受けています。
ただし、国内にもマウスピース型矯正装置として医薬品医療機器等法(薬機法)の承認を受けているものは複数存在します。
※マウスピース型矯正装置(インビザライン ・薬機法対象外)は、日本においては完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、承認薬品を対象とする医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。